出願明細書・図面をどう書くか(その2)
前回の投稿で述べた「参考書」には、「図面の描き方」について基本的なことが書かれているでしょう。本稿でも他ではあまり書かれていないような経験談等を書きたいと思います。
(1)図面中の各構成部分(部品)に対し「1,2,3・・・」等の符号を付けますが、できれば図面順であって連続した数字を付けたいと思います。しかし、既に作成した複数の図面間に新たな図面を追加、或いは新たな構成部分(部品)に符号を付ける必要が生じることも珍しくありません。そうすると新たな符号(数字)が必要になります。例えば、説明の進行に従って、1,2,3,18,4,5,・・・16,17のように「18」を割り込ませる必要が生じます。これが許されないわけではありませんが、あまり美しく無いですね。そこで、筆者は1,3,5,7,・・・のように奇数(又は偶数)のみを使い、符号(数字)が足りなくなったら最も近い偶数(又は奇数)を割り振るという方法を取ることもあります。
(2)図面中には、「電源回路」のような用語(日本語)を入れない方が良いでしょう。日本の特許出願のみであれば問題は無いですが、外国出願する場合には図面の翻訳文が必要になるからです。上述のように符号や記号を付け、明細書中で「符号の説明」を記載するのが良いと思います。
(3)日本の特許出願ではあまり問題にされませんが、米国等の外国出願を考慮すると符号の大きさ(フォントサイズ)はやや大きめにしておく方が良いでしょう。細かいことですが文字の半角・全角、アルファベットの大文字・小文字など、自分なりのルールを決めておきましょう。はじめから完璧な明細書を書くことは出来ませんが、例えば、国内優先権主張出願をするときに文字の修正や用語の統一を確認するのが良いでしょう。