投稿(Post1~19)のまとめと補足(その3)
(1)本ブログの主要課題である「いかに知財関連経費を低く抑えるか」について補足します。これまでの投稿では主に出願から登録に至る過程を対象にしてきました。めでたく特許査定、登録になった後も必要経費がゼロになるわけではありません。日本では、請求項数によって支払う手数料や特許維持年金額が変動する「請求項加算」の制度を採用しています。スタートアップその他小規模事業者や大学研究機関等であれば特許登録後10年までは各種減免措置を受けられますが、11年目以降はこのような減免措置を受けられません。このことから、請求項数と11年目以降の年金額には注意が必要です。
(2)他方、外国では「請求項加算」制度のない国、或いは日本より特許年金が低く抑えられている国もあります。特に、日本において上記の「各種減免措置」を受けられなくなった後は、特許権を維持すべきか否か決断を迫られるかもしれません。筆者の場合も日本特許の維持を断念し、対応する米国特許のみを残した例があります。年金額が安く、英文であること、及び優秀な米国代理人が出願明細書を精査してくれたからです。特許庁には、特許登録後11年目以降もスタートアップ等に対する特許年金の減免制度を適用して欲しいものです。