審査請求と拒絶理由通知に対する対応(その2)
(1) 「早期審査請求」を行うと、書式等に問題が無ければ1ヶ月から遅くとも3ヶ月以内には審査官から審査結果が通知されます。審査結果は拒絶理由無し(特許査定)か、拒絶理由有りのいずれかです。「拒絶理由通知」を受け取ってもがっかりしたり審査官に不満を抱いたりしないようにしましょう。そのような時は数日空けてから改めて拒絶理由や引用文献を精査することをお薦めします。応答期限は通知書の発送日から60日以内なので、できれば30日以内に何らかの対応をしたほうが良いでしょう。国内優先権主張出願に乗り換える場合の時間的余裕を持たせるためです。
(2) 「拒絶理由有り」の場合には、次のような対応が考えられます。
1. 請求項を補正し再度審査官の見解を待つ(最も多いケース)
請求項の補正方法等に関しては以前の投稿(Post14)でも触れた特許に関する参考書や特許庁主催のセミナー資料を参考にしてください。
2. 国内優先権主張出願に乗り換える
拒絶理由に示された引例等を精査した結果、請求項を補正しても(多くの場合請求項の技術範囲が狭められる)特許権としての効力が見劣りする場合もあります。そのような場合は、新たな実施例を追加したり請求項の構成を見直したりするのが良いでしょう。最先の出願日から1年以内であれば、国内優先権主張出願に乗り換えるべきでしょう。「拒絶理由通知」を受け取った現特許出願は国内優先権主張出願の基礎とされるだけなので特に対応する必要はありません。
3. 現特許出願を取り下げる(最先の出願日から1年3カ月以内)
上記1, 2のいずれの対応も困難な場合は、特許出願そのものを取り下げるべきでしょう。出願公開されることによる不利益を回避するためです。自身の特許出願が先に公開されることにより、以後の自身の別出願に対する拒絶引例とされることがあります。また第三者にヒントを与える可能性もあるからです。
(3) 「拒絶理由無し」の場合には、定められた期間内に登録料を納付します。この場合も登録料の減免申請を忘れないようにしましょう。