効率的な特許出願を目指そう(その4)
時期的要件についてまとめてみましょう。最もシンプルな例を図解します。即ち、先の出願(X)の後に新たな実施例等を追加した国内優先権主張出願X’を先の出願日から1年以内に行います。先の出願(X)を後の出願X’に乗り換えたことになります。後の出願X’は、先の出願(X)の出願日から1年6ヶ月後に出願公開され、その内容は公知となります。そのため、新たな類似出願Yは、その内容にもよりますが、なるべくこのX’の出願公開日より前に出願しておきましょう。みずからの出願X’によって、類似出願Yの拒絶引例になる可能性があるからです。スタートアップは短期間に複数の特許出願を行うことが多いので、特に要注意です。なお、他社の類似出願Zの出願日が、図示するようにA,B,C,Dの4つのケースが考えられます。自社出願X’(X)、及び出願Yに対し、他社の類似出願Zがどのような場合に先願と認められるか考えてみるのも良いでしょう。