出願明細書・図面をどう書くか(その3)
(1) 明細書作成にまだ慣れないときはなかなか筆が進まないものです。しかしあまり時間をかけ過ぎると競合他社が先に出願してしまうかもしれません。既に述べたように、スタートアップは国内優先権主張出願を最大限活用すべきです。そのため最初の出願明細書が不満足な仕上がりであっても、出願書類の提出を急ぐ必要があります。出願書類提出後、数日後に改めて明細書や図面を見直してみると、誤記や記載の修正、加筆等が必要なことに気付くでしょう。また、新たな実施例や構造等を思いつくことも少なくありません。
(2) このように最初の出願を基礎とした国内優先権主張出願によりさらに充実した内容に仕上げることができます。当然、請求項についても上位の概念と下位の概念がより明確になり、独立請求項とその従属請求項の並びが自ら決まってくるでしょう。国内優先権主張出願の書面(特許願)には、「先の出願に基づく優先権主張」の項目を追加します。