所属企業における特許出願とは異なるアプローチ(その2)
(1)冒頭にも書きましたが、特許出願を自分で行うと試作、測定評価、或いは顧客や投資家向けのデモや売り込みに費やす時間と労力を圧迫します。多くのスタートアップは開発スタート時には既存の量産工場や販売チャネル、確立したブランドイメージなどは持ち合わせていません。有るのは自らのアイディアや技術のみです。せっかく開発した技術・商品等が既に第三者によって特許化され、或いは公開されていれば競争力を失うばかりか投資家の関心を引くことも出来ません。
(2)このようにスタートアップにとって特許権の取得が「肝」であるにもかかわらず、高額な経費を理由に特許出願件数を抑制したり諦めたりしていませんか?特許出願等を自分で行うことにより、必要経費を大幅に削減しより多くの特許出願が可能になります。例えば、市町村税等が非課税の個人の場合、特許出願費用(14,000円)を除く審査請求費用、権利化後の最初の3年分の特許維持年金が免除されます。このように、我が国の特許庁は資力の乏しいスタートアップ等に対し諸費用の減免、早期審査等の優遇措置や様々な支援制度を用意しています。これらを最大限活用することがスタートアップの知財戦略には極めて重要です。