投稿(Post1~19)のまとめと補足(その4)
(1)本ブログでは、企業等における実務経験を有する個人やスタートアップ等を念頭に、如何に経費を抑制しつつ有効な特許権取得につなげるかについて私見を述べてきました。他方、工学系大学院における研究対象の多くは産業界とも関連が深いと思います。例えば、リニア新幹線やEVが登場する以前から国内外の大学(院)や研究機関において(常温)超電導物質や個体電池等の基礎研究が進められてきました。現在、世界中の企業や研究機関がその実用化に向けてしのぎを削っています。
(2)そう考えると特許権取得の重要性はスタートアップ等に限らないでしょう。多くの大学(院)や研究機関にはTLOと呼ばれる組織があり、特許出願や技術移転をサポートしていると思います。私見ですが、大学院生であれば卒業までに自身の研究成果について少なくとも一件くらいは特許権を取得したいものです。特に関連する論文のリストや図面等の作成は研究(修士・博士)論文の作成のみならず、特許出願書類にも流用できます。すでに繰り返し述べてきたように、先行技術調査や特許出願書類の作成、拒絶理由対応等を自ら行うことにより、研究成果の客観的価値をより一層高めることができるでしょう。